「ゼロ・ウェイスト宣言」2030年に向けて

こんにちは。役場企画環境課の栗林です。

みなさんが気になっていたことに、ついにお答えできるようになりました。

ずばり、2020年までの「ゼロ・ウェイスト宣言」、今後はどうなるの?についてです。

結論からいうと、2030年に向けて新たな「ゼロ・ウェイスト宣言」をすることになりました!

12月18日の議会最終日、全会一致で可決され、新たなゼロ・ウェイストタウン上勝がはじまります。

さっそくですが、気になる宣言内容は次のとおりです。

宣言の様子

上勝町ゼロ・ウェイスト宣言

2003年のゼロ・ウェイスト宣言から17年、上勝町では町民一人一人がごみ削減に努めリサイクル率80%以上を達成しました。小さな町の大きな挑戦は世界から注目され、持続可能な社会への道筋を示しました。

私たちが目指すのは、豊かな自然とともに、誰もが幸せを感じながら、それぞれの夢を叶えられる町です。

上勝町はゼロ・ウェイストの先駆者として、「未来のこどもたちの暮らす環境を自分の事として考え、行動できる人づくり」を2030年までの重点目標に掲げ、再びゼロ・ウェイストを宣言します。

1.ゼロ・ウェイストで、私たちの暮らしを豊かにします。

2.町でできるあらゆる実験やチャレンジを行い、ごみになるものをゼロにします。

3.ゼロ・ウェイストや環境問題について学べる仕組みをつくり、新しい時代のリーダーを輩出します。

いかがでしょうか?

前回の宣言から、より“人づくり” や“チャレンジ”を意識した内容になっています。

この宣言文には、たくさんの人の思いがぎゅっとつまっていて、作成期間中の約3か月間はゼロ・ウェイスト推進員の方々がそれぞれの熱い思いをさらけ出してくれ、また、推進員さんを通してゴミステーションの現場スタッフや町民の声も拾い上げられており、それらを集約した内容となりました。

課題その1

2003年の宣言から17年間、焼却・埋立ごみをゼロに近づけるために、徹底した分別でできる限りの資源化を行ってきましたが、徹底した結果わかったのは分別だけではごみはゼロにならないということです。

というのも、上勝町の分別項目には「どうしても燃やさなければならないもの」「どうしても埋め立てなければならないもの」があり、これは、素材状または複合品のためどうしても再利用できないものに分類されています。といっても上勝町の焼却・埋立ごみは全体の約2割程度なので、それだけでもすごいことだなぁと思いますが、この2割をどうにかして無駄にしたくない!というのが上勝魂。

そうした思いから、「2.町でできるあらゆる実験やチャレンジを行い、ごみになるものをゼロにします。」という目標が立てられ、企業や大学との連携を進めて、ものづくりの段階から変えていくことができれば、資源化できないごみたちの救出や、より簡単なリサイクル、分別数の減少、楽な分別の実現につながり町民の負担も軽くなって、環境にもやさしい町にしていくことができます。

課題その2

これまで積極的にゼロ・ウェイストの取り組みについて情報発信してきて、ありがたいことに視察や取材の申し込み依頼がたくさんあり、視察に関しては昨年、「いろどり」と肩を並べるほどの人数になりました。

先日、私もちょうど職場研修でゼロ・ウェイストの視察内容を体験してきて(その記事は後日公開します。)、改めて環境問題が喫緊の課題であることがわかりました。でも、よくわかった、少し知識もついた、そのあとは?そのあとは行動に移すこと、それを継続することです。でも、これが一番難しいことだと思います。

私の地元では、ごみは10種類くらいに分別していますが、いま地元に帰っても問題意識をもったまま生活できる自信や周囲に広めていくだけの説得力はまだもってないなぁと思います。私のようにまだまだ中途半端な人間からしても、「3.ゼロ・ウェイストや環境問題について学べる仕組みをつくり、新しい時代のリーダーを輩出します。」という目標を立てて、環境問題について気軽に集まって学べる場所やプログラム作りの取り組みがはじまってくれると、学びや仲間づくりの場になってうれしいなと思います。

“ごみをゼロにするには?”

“ごみをゼロにするには?” 上勝町のチャレンジの根底にある問いかけです。

上勝町に来るまでは、ごみごとに専用のごみ袋を買って、生ごみも紙も牛乳パックもまとめて燃えるごみでした。 ごみ袋は臭いし汚い、だから早く収集してほしいのにまだ収集の日じゃないから家に置いておくしかないのが当たり前でした。しかし、上勝では汚れは軽くすすいで乾かしておくので臭いはないし、いつでも放りにいけるので家にごみが溜まることもないうえに、放ったごみでポイントが貯まって商品と交換することができる、なんてありがたい話なんだと思いました。でも、これが「ありがたい」と思うか、「自分で捨てに行かなあかんし、ようけ分別せなあかんしめんどくさい」と思うかは紙一重です。私も、分別が3種類だったら少なくて楽なのになぁと極端なことを思うこともあります。3種類は置いといとても、分別が少なくなればめんどくさいと感じる人が少なくなって、協力してくれる人はきっと増えると思います。そうなるためにも、上勝町は新宣言にもあるように「あらゆる実験やチャレンジを行い」、2030年に向けて「負担軽減・経済循環・教育」に焦点をあてた取り組みを進めていき、「1.ゼロ・ウェイストで、私たちの暮らしを豊かにします。」の実現を目指して一歩一歩進んでいきたいと思います。

“ごみをゼロにするには?” この問いかけを一緒に考え、行動してくれる人を、上勝町はいつでもお待ちしております。新たにはじまったゼロ・ウェイストタウン上勝で、いっしょにチャレンジしませんか。

上勝町ゼロ・ウェイストセンター:ゼロ・ウェイストタウン上勝の新拠点