コロナ禍でもゼロ・ウェイストを考えるのは。

みなさまこんにちは!

ゼロ・ウェイスト推進員であり、上勝町で「カフェ・ポールスター」というお店を運営しています東輝実です。

「ゼロ・ウェイスト認証店」のうちの1つでもある当店は、2013年のオープン当初よりゼロ・ウェイストなカフェを実現できるよう日々試行錯誤を重ねてきました。今日はそんな中でお弁当の話をいたします。


当店が販売するお弁当。基本的に上勝町内の食材を使うことで地産地消を目指します。

新型コロナウイルスの影響により、多くの飲食店が休業せざるを得ない状況となりました。当店も2020年4月4日より店舗を休業し、感染予防と拡大防止に努めるという判断をしました。昨日5月14日に多くの都道府県において緊急事態宣言の解除がなされましたが、まだ少し、厳しい状況は続きそうです。

この状況下において、オンラインショップを通して商品を買う人、または料理をテイクアウトして自宅で食事をする人が増加しており、お店側もあれやこれやと様々な手法を試している中、私たちカフェ・ポールスターはオンラインショップや使い捨ての容器でのテイクアウトは一切しない、という決断をしました。

当店でも休業を決めた当初、オンラインショップで焼き菓子やその他商品を販売することを検討しました。正しくは、コロナの影響がある前からオンラインショップの運用について検討していたのですが、いつも問題というか課題になるのは「ごみ」という点でした。

商品を梱包し、発送するという中でどうしても発生してしまう梱包材や輸送にかかるコストを考えると、ゼロ・ウェイストを目指すカフェとして、生き残る術であってもオンラインで物を届けることは、全体から見れば私たちの目指す先やお客様への姿勢として違ってきます。もちろんお店ですから、続けていくためにはお金が必要です。ですが、大事にするもの(コンセプトやビジョン)を失えば、お客様からの信頼という、より大きなものを失います。生分解性の素材を使ったり、再資源化された梱包材を使うという環境負荷を軽減する方法で「つなぐ」ことはできますが、届いた先で焼却ごみとして捨てられてしまえば、あまり意味がありません。

ということで、私たちはまだ自分たち自身の中で、物を誰かに届けたいと思った時にごみの課題でまだ最善の策を提案できないので、そういった物の売り方はしないという決断をしました。

それと同時に、遠くのお客様に届けるだけでなく、近くの、上勝町内の方が必要としていることを、私たちなりのサービスで提供できないかと考えた時、お弁当や量り売りという方法がありました。

当店のお弁当は一般社団法人「ひだまり」が保管・管理している、洗って何度も使えるお弁当箱でご用意しています。陶器の容器を惣菜の間仕切りで使ったり、サラダや葉わさびといった食べられる物、もしくは食べなくとも土へと還るものを敷物として使いますので、お弁当からごみが出ることはありません。もちろん、美味しいお弁当を作って食べ切ってもらうこともフードロスの観点では大事ですので、手間をかけ、心をこめて美味しいと思ってもらえる料理を作っています。

また、町内の方で必要な方に呼びかけをして、先日コーヒー豆の量り売りをしました。コーヒー豆を持って必要な方のところに売りに行くというスタイル。コーヒー豆を入れる容器をそれぞれ用意してもらうことで、ごみの出ない形での販売。
アナログだけど、ごみも出ないし、みんな元気かも確認できて(笑 

そんなトライアルもできている今です。

頑固だけれど、できることを、今だから。