環境大臣への要望書

環境大臣  小池百合子 殿
2020年ごみゼロを目標にした
「資源回収に関する法律(仮称)」の制定について

1.主旨

地球上のごみゼロ、社会経済システムの構築に向けて、2020年を目標に、それ以降すべての商品について、消費者が不要になった場合、製造~販売~消費の流れと逆ルートで、製造者に消費者から有価で回収することを義務づけ、違反者には罰則を科し、逆ルートで有価回収できない商品の製造販売を禁止する法律「資源回収法に関する法律(仮称)」を速やかに制定されたい。

2.理由

ご承知のとおり現行の廃棄物処理法では、産業廃棄物は都道府県に、そして一般廃棄物は市町村に処理を義務づけています。そして、国の補助金を受けた県や市町村が多額の経費を投入し、中間処理施設や最終処分場を整備していますが、その維持管理にも多額の経費を要しています。その上、住民からは迷惑施設として敬遠され、国の内外を問わず数限りない紛争が発生しています。その紛争原因の多くは、廃棄物を焼却したり、埋め立てすることで大気、雨水、大地がダイオキシン等により汚染され、最終的に私たちの最も大切な健康を害するのではないかという不安からくるものです。しかしながら、現在でも国内のほとんどの企業、市町村、都道府県がゴミを焼却処理しており、国はこれに補助金を出して焼却処理を推進しています。

各種リサイクル法も課題が多く、みつからないように捨てれば儲かる制度となっており再検討が必要です。現実に、日本中で不法投棄が後を絶たず、県や市町村が一生懸命に手間をかけ、お金をかけて処理を続けても国土はゴミだらけです。

こうした悪循環を断ち切って良い循環システムに切り替えるために2020年の法適用を目標に定め、それ以降あらゆる商品についてデポジット方式を基本とした消費~販売~製造という「消費の逆ルート」で廃棄物の有価回収を製造販売業者に義務づけ、回収できない商品の製造販売を禁止する法律「資源回収法に関する法律(仮称)」の整備を要望します。

その具体的な展開方法として、全ての製造・流通業者並びに世界中の人々に呼びかけ、法律の主旨に添った商品の企画開発プラン、回収ルートの仕組み等について企画書の提案を募集し、画期的な提案、素晴らしい内容のものには開発費の100%補助等を実施してパテント等を取得できた場合、その特許権の半分は補助金を出した国、地方公共団体、大学、研究機関などに帰属させるというような推進法を制定すれば、世界中の人々の知恵と工夫で、限りある資源が有効に活かされ地球自体が公害から救われます。

ビール瓶のように何十年もデザインが変わらず、中身だけ変えれば何回でも使用できる容器など、非常に長持ちする素晴らしいデザインや商品などが、商品の企画設計段階から「ゴミにならない商品」として次々と開発されると思います。そして、消費者が使わなくなった物が換金できるので経済も心も豊かになります。

今、この法律を整備すると2020年からはゴミ焼却場も最終処分場も不要となり、資源が有効に活用され、大気等の汚染はなくなり、地球温暖化が防止され、ゴミ処理費も不要になります。

21世紀を環境の世紀とするにふさわしい“ごみゼロ社会経済システムの構築”に向け、世界一の資源輸入国として 2020年を目標に、我が国が世界に誇る技術を活かし、環境面の技術やシステム開発で先導的役割を担えるよう、速やかに法律の整備に最大限ご尽力賜りますようお願いします。

平成16年2月15日
上勝町長 笠松 和市