消費者庁 衛藤内閣府特命担当大臣 上勝町のゼロ・ウェイストを視察

令和2年7月30日、消費者政策の研究や国際業務等の拠点として“消費者庁 新未来創造戦略本部”が徳島県に開設された。衛藤担当相は開設式への出席、及び上勝町のゼロ・ウェイストへの取組を視察するためにゼロ・ウェイストセンターを訪れた。視察ではゴミステーション、くるくるショップ、交流ホールにある“おかえりブロック”、HOTEL WHYのほか、シェアオフィスを会場として“いろどり”の紹介が行われた。

◆ ゼロ・ウェイストセンター ◆

ゴミステーションでは、住民による45分別や資源収集の工夫、独自のポイント制度など上勝町ならではのごみの収集について説明された。分別コーナーでは分類ごとにコンテナが並べられ表示には“アルミ缶”などの分類表記の他にも、どこで何にリサイクルされるのか、処理単価、資源としての買取単価なども記されている。45分別を住民に協力してもらうなかで、できるだけわかりやすく、またこの取組に関心をもってもらえるような工夫がされている。

分別コーナー
分別コーナー

衛藤担当相が驚いていたのは、ごみ収集車が町内を回っていないことだった。一般的には家の前や近辺にごみをまとめておく場所があり曜日ごとに決まったごみを出すと、ごみ収集車が回収してくれる。おそらく衛藤担当相の住む地域もそうであろうし、自分でもっていくのが当たり前となっているシステムに驚いたのではないだろうか。たしかに、自分でごみを持ち込むのはいろいろと手間がかかる。一方で自分の都合のいい時にごみが出せるというメリットもある。上勝町がそうまでして“ごみ”にこだわるのは、未来のこどもたちにより豊かで美しい自然やおいしい水・空気がある環境でのびのびと暮らしてほしいという思いがあるからだ。

くるくるショップ

ゼロ・ウェイストの取組のなかでも、町民が気軽に利用できるのがリユース拠点“くるくるショップ”。いらなくなった物を捨てるとき、まだ使えるのにもったいないなと思うことがある。その思いから生まれたくるくるショップでは、持ち込まれたものたちは新たに必要とする人たちへと受け継がれていく。食器や衣類、小物など身の回りの物が揃っているので、買い物に行く前に、くるくるショップで調達することができれば、余分な物を買わずに済むしリデュースの取組みにもつながる。まずモノを買う段階でできることをこれからの上勝町のゼロ・ウェイストとして見つけていきたい。

いろどり紹介

“いろどり”の紹介では、衛藤担当相は実際に“つまもの”を手に取り、町内の木材から作られたブランド“KINOF”のマスクをつけるなど、上勝町を代表する地場ブランドを見て触って体感した。いろどりの魅力は地域にあるものに新しい価値を生み出し、80歳を超える高齢者でも自在にタブレットやパソコンを操り、受注から発注までやってのけることである。仕事は完全出来高制で、たくさん注文が取れたときはうれしいので働くモチベーションが上がるし病気をしているヒマもない、と冗談めかして話してくれた西蔭さんからは本当に楽しそうで仕事を誇りに思っていることが伝わってきた。「上勝町=高齢者が元気な町」といわれるようになった原点である。

おかえりブロック

交流ホールには、子どもがゼロ・ウェイストを遊びながら学べるように工夫されたおもちゃがある。その名も“おかえりブロック”だ。カラフルで遊び心がわくブロックの秘密はその製造にある。このブロックを開発したのはスキンケア商品などで有名な「花王」であり、自社他社問わず詰め替え用パウチを回収し“おかえりブロック”として生まれ変わらせている。そのため、ブロックからはほんのりと洗剤の香りがする。「花王」の生産、処理、リサイクルの循環を目指した取組をはじめ、環境問題と向き合う企業がこれから増えていけば、消費者の行動もおのずと変化していくのではないだろうか。

HOTEL WHY

「HOTEL WHY」は2020年5月30日(ごみゼロの日)にオープンした体験宿泊棟である。ゼロ・ウェイストに暮らすとはどういうことなのか、を改めて考える機会と場所を提供しており、希望者はここでしかできない分別体験をすることができる。また、建物の構造や資材にまでこだわって活かされた町内木材や建築技術なども見どころである。

宿泊体験レポートを過去の記事で紹介しているのでこちらをクリック

7月からはレジ袋が有料になり、レジでエコバッグを取り出す人をみかけるようになった。身近なことであるからこそ、消費者にとっても生産者にとっても環境問題が無視できないところまできていると知るきっかけになったのではないだろうか。消費者が変わればニーズに合わせて生産者も変わる。生産者が変わればおのずと消費者の生活様式も変わる。舵を切る力は消費者にも生産者にもあるのだから、これを機に社会の環境問題への取組が進んでいくことを期待する。

おわり